「自分の頭で考える」? 「自分の頭で考えなさい」。わたしたちがしばしば耳にする言葉です。 とくに4月を迎え、いよいよ「新生活」がはじまったという方は、あたらしい環境での訓示などにおいて、「自分の頭で考える」ことの重要性を強調される機会もあるかもしれません。 しかし、「自分の頭で考える」のは本当によいことなのでしょうか? そもそも「自分の頭で考える」というのはどういう意味なのでしょうか? さらに、考えることや、知性を用いることを得意とする人たちは、「自分の頭で考える」ことをどのように位置付けているのでしょうか? たとえば、日本の知性の「トップ」とも言える東京大学の総長はどのようなことを語っているか。 フランス文学や映画の研究者で作家としても知られる蓮實重彥氏は、1997年4月1日から2001年3月31日まで、東京大学の第26代総長をつとめていました。 ここで注目したいのは、蓮實氏が東京大学の
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