「ナローゲージ」と呼ばれる鉄道をご存じだろうか。「ナロー(=狭い)」な「ゲージ(=軌間)」、つまり線路の幅が通常よりも狭い鉄道を指す。 JRの在来線など、日本で一般的な線路の幅は1067㎜。高速運転する新幹線はさらに広い1435㎜だ。一方、ナローゲージは762㎜。新幹線のおよそ半分しかない。 ナローゲージはもともと「軽便鉄道」と呼ばれ、建設費や維持費が安く済むことから、明治から大正時代にかけて地方に多く建設された。しかし、構造上車両を大きくできず、大量輸送に向かないため、路線バスに取って代わられて次々と廃止。現役で残っているのは日本で3路線しかない。そのうち、富山県の黒部峡谷鉄道(宇奈月~欅平間)は冬季は積雪のため運休する観光鉄道で、トロッコ列車として全国的にも知名度が高い。これに対して、あまり知られていないが日常の足として使われているのが、三岐鉄道北勢線(西桑名~阿下喜間)と四日市あすな