『きつねものがたり』 ヨセフ・ラダ:作&絵 内田莉莎子:訳 福音館書店 チェコのヨセフ・ラダ作&絵のお話本。 た・の・し・い・お・は・な・し。 ヨセフ・ラダは、 作家で画家であり、画家で作家と、 自分の全生涯を語っている。 信じているのは、 青春時代の強烈な体験、 善良な人々、 感じ易い心、 そして忠実な愛情。 これが純粋な芸術の源泉だと述べている。 『きつねものがたり』 を読んでみると、 素朴な背景色彩と絵に きつねくんの機知に富んだ行動から、 ヨセフ・ラダの源泉に辿り着く。 子どもたちと読んでいた若き母のときは、 チェコの昔話のような 通り一遍の印象だったように思う。 今は、 芸術・アーツに向かう一人の旅人と、 分かち合い共有できるときを 持てたことの喜びが大きい。 本は、 作者のこころの旅に 同伴することができる醍醐味がある。 歴史も環境も時代も違う国々から 生まれ出た物語から 読み