20世紀初頭、帝政ロシアのロマノフ王朝の宮廷に君臨した自称・祈祷僧のラスプーチン。謎に包まれた経歴や特異な風貌から「怪僧」と呼ばれたが、彼の実像はいまだ不明な点が多い。 ラスプーチンはシベリアの貧しい農家に生まれたが、突然「巡礼の旅に出る」と言い出し姿を消した。 そして十数年ににもおよぶ旅で彼は相手を圧倒させる眼力と自信に満ちた説教の力を手に入れた。 そして彼に心服する信者も増え、その噂を嗅ぎつけたロシア皇帝ニコライ2世と皇后アレクサンドラは病弱だった皇太子の祈祷を依頼。 ラスプーチンが祈祷すると皇太子の病状が治り皇帝夫婦から絶大な信頼を得る。 そしてニコライ2世は黒装束姿のラスプーチンをそばに置き何事にも彼の占いや予言に頼るようになった。 権力を手中に収めたラスプーチンはすべてを自分の物にしたいと思うようになり、皇后と愛人関係になり女信者たちとも親密な関係になったのである。 しかしその横