『劇場版少女歌劇レヴュースタァライト』を鑑賞したことは、おそるべき体験だった。 見ていて、「ああいいな」と思うようなカットはそれなりにあった。それも今までのセルアニメの流れを組む作品ではなかなか見たことがないような映像表現がたくさんあった。 しかし見終わったあと、私はぐったりとした気分で劇場を出た。虚脱感というか、意気消沈というか。なんの感情も持てないまま、いらだちに似たなにかが体に充満していた。それは次第に空虚さに変わって無常な切なさになった。人の多い池袋でなかったらそのまま涙を流していたかもしれない。 作品についてまず子供っぽい比喩で語るとすれば、きらびやかなおもちゃ箱のなかになにもなかったような感じだろうか。いや、おもちゃ箱のなかががらんどうなことは見ている最中からわかっていた、でも、でもここにはなにかあるんじゃないかという、期待を膨らませる手品というか仕掛けがあるから、私はそこに何