馬の飼養管理について 1.馬の消化生理 馬がエネルギー源として利用できる栄養素には、 炭水化物、 脂肪、 タンパク質がある。 炭水化物には、穀物に多く含まれるデンプンなどの消化性の高いものと、乾草などの消 化性の低い繊維成分がある。デンプンなどは小腸において消化吸収される。一方繊維成 分は、馬の場合大腸で微生物による分解を受け、体内で利用できる脂肪酸になり吸収さ れエネルギー源として利用される。 このように馬はエネルギー源として繊維を利用できる草食動物の一種である。 同じ草 食動物である牛と比較すると一般的に馬のほうが粗飼料(乾草など)の消化性が低いた め、運動量が増加すると穀物などの濃厚飼料を給餌する必要がある。しかしこの濃厚飼 料の給与方法には注意すべきである。なぜなら馬の胃の容量は約 10L と体の割には小 さい。 そのため一度に大量の炭水化物を摂取すると消化しきれない炭水化物が大