<天ぷらを食べるときには空腹でないといけない。それは自明の理である>。食通としても知られた作家池波正太郎は、そう断言していた ▼油の火加減をととのえ、気をつめて揚げてくれた天ぷらを前に、ぐずぐず酒をくみかわし、語り合うのは礼を失する。<天ぷらが泣き出して、ぐんにゃりしてしまうし、料理人は気落ちがしてしまう>▼随筆「散歩のとき何か食べたくなって」(平凡社)に書いている。 こだわりは徹底していて、なじみの老舗の暖簾(のれん)をくぐる日には、朝からなにも口にしないということもあったようだ ▼空(す)きっ腹(ぱら)に、からっと揚がった熱々の天ぷら…。想像するだけでおなかがグウと鳴る。さて、この人が空腹だったかどうかは知らない。が、幼い子やお年寄りが飢えや寒さにおびえているさなかにほおばった天ぷらは、どんな味がしたのか▼関東甲信の物流が途絶した大雪の晩、安倍晋三首相は赤坂の高級店で支援者らと天
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