「最高のファッションショーは常にストリートにある」を信条に、ニューヨークを行き交う人々の装いをカメラに収め続ける写真家ビル・カニンガム。今や彼に撮られることがニューヨーカーのステータスとまで言われるビルは、その写真作品もさることながら、これまでに残した数々の語録によっても大きな影響を与えるアーティストだ。その中から幾つかを紹介しよう。 まずは、彼のファッションに対する信念をよく表した「着る女性がいない服には興味がない」という言葉。この言葉一つで、ビルは装飾性に偏った一部のハイファッションをあっさりと否定してみせる。さらに「無料で着飾った有名人に興味はありません」と言い放ち、「ファッションは鎧なんだ。日々を生き抜くための」と、それがあくまで生活に根ざした文化であることを強調するのだ。これらは全て、50年にわたって真正面からファッションと向き合ってきたビルだから言える言葉に違いないのだが、「た