東日本大震災から5年。最多の犠牲者を出した宮城県石巻市で、震災遺児Aくん(当時9)に全国から集まった義援金7千万円が叔父によって横領されていたことが、週刊文春の取材でわかった。 <僕が捜しているよ> 震災から5日後の2011年3月16日。行方不明の家族の名前を手書きした段ボール紙を掲げ、避難所を巡るAくんの姿が、朝日新聞によって報じられた。地震の直後、父親の運転する車で避難していたAくん一家は、車ごと津波に飲み込まれ、中1の従兄とAくん以外は行方不明となっていた。「両親と祖母は、震災から1週間後にそれぞれ遺体で発見されました。従妹は今なお行方が分かっていないそうです」(地元住民) その後、国内外から支援物資、義援金などがAくんの元に届けられた。だが、叔父・島吉宏(40)はAくんを引き取ると、未成年後見人の立場を悪用してこれを横領。今年1月、仙台地検は島を業務上横領容疑で逮捕した。わずか3年