祖父である内海五十雄が元巨人野手だったこともあり、その“巨人愛”は並大抵のものではない内海。高校卒業時には巨人以外の指名を拒否して社会人野球に進み、3年後に巨人入りしている 本気で頭を抱えている人間を、初めて見た。 9月22日の東京ドーム。午後9時のちょっと前ぐらい。4万4545人が見つめる東京ドームのど真ん中で、巨人の内海哲也は全力で頭を抱えていた。多分、この時マウンドに穴があったら本当に入っていただろう勢いで……。 この日の内海が並々ならぬ決意で投げていたのはよくわかる。前々回登板した9日には最下位横浜を相手に4回途中6失点でKO。試合後に原監督からは「論ずるに値しない」と突き放され、失地回復を果たすべく挑んだこの日のマウンド。中盤から強気のピッチングでペースを掴み、横浜打線を完封目前まで追い込んだ。 ところが9回2死から、ヒット、ヒット、ヒット、四球で1点返され、なおも満塁。横浜の代