Stumbling and Mumblingというブログを書いているクリス・ディロー(Chris Dillow)が、今回の危機は別に現在の経済学に根本的な影響を与えるものではない、と述べている(Economist's View経由)。 彼に言わせれば、そもそも経済学は予測には使えないことは分かっていたのだから、今回の危機を予測できなかったからと言ってその価値が下がったわけではなく、従って特に見直す必要はない、とのことである。 以下に彼のエントリの概略をまとめてみる。 今回の危機を「経済学にとっての地震」と評したり、「新しい理論が必要」と言う人がいるが、そういう人たちは、経済学を、ある程度まとまってはいるが未だ不完全な知識と理論の体系と見なしている。しかしそれは違う。経済学は多種多様な洞察の集合体なのである。しかも、そうした洞察のうち現在の経済危機の説明に使われているものは、2007年以前に