アサリの菜種煮 貝のうまみを味わいたい 丁寧に支度、春ふわり 2011年3月9日 印刷 Check 沸騰した状態の中に溶き卵を流し入れる アサリの口が開いたらすぐ取り出す 取材・構成 長沢美津子 撮影・大山克巳 旬に向かって身の太るアサリと、ほろ苦い菜の花は、三寒四温の3月に、出会う素材です。食卓がパッと明るくなるような「菜種煮」はいかがでしょう。貝のうまみたっぷりの煮汁を卵が包みこみ、すっきり、優しい味わいです。 「菜種煮とは、卵がふわふわ散った様子を、菜の花畑に見立てた呼び名。半熟ではなく、卵にほどよく火が通っているのが理想です」と日本料理研究家の斉藤辰夫さん。 少ない量の調味料でおいしく仕上がります。そのためには、ひとつひとつの手順にちょっと気を使うのがポイント。まずは砂出ししたアサリを殻をこすり合わせてよく洗うこと。表面の汚れは、くさみにつながります。 菜の花は、5分でも水につける