1. はじめに 近年の携帯電話の普及をみても明らかなように,コミュニケーションは場所に制約されずにいつでもどこでも行いたいということが,世界の人々の欲求といっても過言ではない.しかし,電話を基本とする無線通信は,電話と基地局の間だけが無線化されているだけで,その他は基本的に有線であり,その有線インフラを整備には莫大なコストがかかる.さらに通信の内容は,日本国内においても音声よりもデータの割合の増加が著しくなってきており,電話のような回線交換型ではない,データ通信を行うことに最適化された無線インフラの構築を行う時期がきていることは否定できない. そのネットワークの形態として,マルチホップ無線ネットワークが注目を浴びてきている.本ページでは現在の製品による「アドホックネットワーク」の構築を紹介し,次世代のマルチホップ無線ネットワークの概念と,現在行われているシステム技術としての研究を紹介し,今