【虚仮(4)】 仏教で教えられる「虚仮(こけ)」について回を重ねました。 「自分のことくらい自分が一番よく知ってるさ」と みな思っていますが、 実は分かっているのは、自分のほんの一部であり、 他人も自分も知らない本性が隠れていると 仏教では説かれています。 仏説通りの自己を知らされた親鸞聖人は 『虚仮不実のわが身にて清浄の心もさらになし』 “ウソ偽りのこの身には、清らかな心は全くない” と懺悔されています。 今日はこのテーマの最後に、あの有名な『浦島太郎』を通して 語ってみたいと思います。 漁師の浦島太郎が浜へ行くと、カメが子供たちに虐待されています。 可哀想に思った彼は、子供たちに動物愛護の精神を話しますが、 子供たちは聞き入れません。 そこで彼はカメを買いとり、沖のほうに放してやりました。 いじめられる動物をかわいそうだという人はいますが、 実際に身銭を切ってでも助けようとする人は少な