ブックマーク / econ101.jp (23)

  • ノア・スミス「なんで Twitter にいるアメリカ人学者たちはあんなにヤな奴なの?」(2024年7月1日)

    Prashant Garg & Thiemo Fetzer の愉快な共著論文が新しく出てきた.主題は,Twitter で投稿してる学者たちについて.著者の Garg が研究結果を要約してる連続ツイートをこちらで読める.一般に,学者たちは読者が予想してるとおりの人たちだ――世間一般の人たちに比べると,より合理的で,それほど回りにとって厄介な人じゃなくて,それほど自己中心的でなく,社会主義寄りで,文化面ではより自由尊重で,気候変動についての懸念が強い: Source: Garg & Fetzer (2024) でも,それは他のいろんな国々の人たちもふくめた学者全般の話だ.アメリカの学者たちは,ヨソの学者たちとはちょっとばかりちがってる.アメリカの学者たちは有意に自己中心的で厄介で感情的な度合いが高い: Source: Garg & Fetzer (2024) どうしてアメリカの学者たちの方がひ

    ノア・スミス「なんで Twitter にいるアメリカ人学者たちはあんなにヤな奴なの?」(2024年7月1日)
  • ノア・スミス「ニュースはますます悪いことを偏って取り上げがちになってきてる」(2024年1月16日)

    ニュースを見てるアメリカ人のあいだでこれほど多くの悲観論が通説になりつつあるのは,どうしてだろう? ひとつには,2010年代後半の社会全体の動揺が挙げられる.それと,国が危機のさなかにあるという感覚をつくりだすことで利益を手に入れたがってるアウトサイダー政治派閥が〔そういう悲観的で危機を煽る〕メッセージを送り出していることも,理由の一端にあると思う.ただ,この十年~二十年ほどで,他でもなくニュースメディアがますます悲観的になってきたっていう事情もある. Binsbergen et al. による新しい論文では,テキストマイニング手法を使って新聞で用いられている言葉を分析している.彼らは,経済ニュースと経済以外のニュースの両方でプラスの感情とマイナスの感情をはかる尺度を構築した.短期的には,経済に関する感情は経済関係の出来事に対応している――景気後退やインフレにはマイナスの感情が対応するし,

    ノア・スミス「ニュースはますます悪いことを偏って取り上げがちになってきてる」(2024年1月16日)
  • ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)

    通説では,1990年にかの不動産バブルがはじけてから日は「失われた○十年」に苦しんできたという話になっている.実のところ,一人あたり GDP を見ると,他の豊かな国々にくらべて日の実績が見劣りしはじめた起点は1990年ではなく1997年に思える.97年といえば,アジア金融危機のあった頃だ. この「失われた○十年」論に対して典型的に向けられる反論では,こう語られる――日が停滞しているように見えるのは,大半が人口の高齢化によるものであって,実際の生産性で見ると日は2000年頃から問題なくやっている.新しく出た Fernandez-Villaverde, Ventura, & Yao の論文は,こう主張している: 多くの先進諸国では,この数十年で,高齢化にともなって,一人あたり GDP成長と労働年齢の成人一人あたり GDP 成長のちがいは大きくなってきている.日のように一人あたり GD

    ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)
    mimizukuma
    mimizukuma 2023/11/28
    橋本龍太郎のやばさがよくわかった
  • サイモン・レン=ルイス「財政再建に励んでも債務対GDP比が下がらない理由,そして,政治家たちが見当違いなタイミングで財政を引き締めがちな理由」(2023年4月18日)

    サイモン・レン=ルイス「財政再建に励んでも債務対GDP比が下がらない理由,そして,政治家たちが見当違いなタイミングで財政を引き締めがちな理由」(2023年4月18日) 「財政再建に取り組むべし」(公共支出削減や増税をすべし)という主張の理由として,しばしばこういうことが言われる.「債務対GDPの比を下げるのに必要だからだ」 ――だが,なるほど財政再建のためのさまざまな方策を打てば公共部門の債務は減少する見込みが大きいものの,同時に,GDP も減少させることになる見込みも大きい.だから,債務対GDPの比への影響は定かでない.IMF が公開したばかりの研究によれば,過去の証拠に照らして見ると,財政再建が債務対 GDP 比にもたらす影響は,平均で見て無視できる程度(i.e.実質ゼロ)なのがうかがえる. さらにその研究を詳しく見てみると,緊縮支持派にとっていっそう悪い研究結果が出ていることが見てと

    サイモン・レン=ルイス「財政再建に励んでも債務対GDP比が下がらない理由,そして,政治家たちが見当違いなタイミングで財政を引き締めがちな理由」(2023年4月18日)
  • ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)

    By 稲ノ歯鯨 – Own work, CC BY-SA 4.0 2020年代は1990年代とはちがう BBC の東京特派員ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズが書いた,日についてのエッセイが広く話題になってる〔日語版〕.ぼくも読んでみたけれど,ひどくいらいらしてしまった.このベテランジャーナリストは――2012年から日に暮らして働いたすえに――日の印象をまとめている.彼によれば,日は停滞して硬直した国で,「ここに来て10年経って,日のありようにもなじみ,次の点を受け入れるにいたった.日は,変化しそうにない.」 でも,日に暮らしたことがあって,2011年以降も年に1ヶ月間ほどここに来て過ごすのを繰り返してる人物として,そして,日経済についてかなりの分量を書いてきた人物として言わせてもらえば,日はまちがいなく様変わりしてる.すごく目につきやすくて重要なところがあれこれ

    ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)
  • ジェイ・フィッツジェラルド「NBER研究ダイジェスト: 科学は葬式のたびに進歩していくのだろうか?」

    [Jay Fitzgerald, “Does Science Advance One Funeral at a Time?,” NBER Digest] スター科学者が死去すると、その科学者の分野で主流をしめる問いに分野外の人々が挑戦することがよくある。そうした人々は、他の領域で登場した新しいアイディアを活用して問いに取り組む。 それまでの研究のうえに新たな研究を積み重ねていく知識の集積は、科学の進歩にとって核心をなしている。だが、このプロセスがどう機能しているのかはあまり理解されていない。 論文「科学は葬式のたびに進歩していくのだろうか?」(NBERワーキングペーパー、No. 21788)で、Pierre Azoulay, Christian Fons-Rosen, & Joshua S. Graff Zivin は物理学者マックス・プランクのこの有名な警句を検討している。著者たちによれ

    ジェイ・フィッツジェラルド「NBER研究ダイジェスト: 科学は葬式のたびに進歩していくのだろうか?」
  • ノア・スミス「日本の経済成長を加速させるアイディア:産業政策編」(2022年5月25日)

    [Noah Smith, “Ideas to boost Japanese growth (Part 1),” Noahpinion, May 25, 2022] さあパーティの始まりだ 東京からこんにちは! 日関連の記事の2目が,これだ.前回の記事では,日の生活水準がいかに低すぎるかって話をした.あそこで日におすすめしたのは,伝統的に頼りにしてきた企業福祉国家は壊れつつあるので,その上に現金ベースでの再分配福祉国家をつくりだすことで,高い貧困率に対処することだった. でも,再分配だけでは,日人が享受してしかるべき物質的なしあわせをもたらすには足りない.1990年いらいの30年にわたる低成長で取り残された日は,全体の GDP でみて先進国のなかで低いランクに甘んじている: 一人当たり GDP が低めなために,再分配するためのリソースがとにかく少ない.だからこそ,日人の生活水準

    ノア・スミス「日本の経済成長を加速させるアイディア:産業政策編」(2022年5月25日)
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
  • タイラー・コーエン「なぜヨーロッパと日本ではデフレが続いているのか」

    Tyler Cowen “Why is deflation continuing in Europe and Japan?“(Marginal Revolution, January 22, 2015) 次に引用するのは日からのニュースだ。 ブルームバーグ・ニュースが行ったエコノミストへの調査によれば、日銀行が2パーセントのインフレ目標を設定して4年後、物価は依然としてそれに満たない可能性がある。 16個の推計の中央値が示すところでは、消費者物価は2017年3月期の会計年度において平均1.4パーセント上昇し、生鮮品と消費税による押上げを除けばインフレ目標が設定されてから2017年3月期まで2パーセントに達する年はない。黒田東彦総裁が2013年4月にその記録に残る刺激策を表明した際、彼は約2年以内に目標を達成したいと考えていた。 クルーグマンの記事には他の地域のデータ点が載っている。

    タイラー・コーエン「なぜヨーロッパと日本ではデフレが続いているのか」
  • ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」

    Paul Krugman, “Why Economists Worry About Population Growth,” Krugman & Co., May 30, 2014. [“Demography and the Bicycle Effect,” May 19, 2014;”Cheese-eating Job Creators,” May 21, 2014.] なんで経済学者は人口成長を気にかけるの? by ポール・クルーグマン Edwin Koo/The New York Times Syndicate 経済学者アルヴィン・ハンセンが「長期停滞」(secular stagnation) の概念をはじめて提案したとき,彼は投資需要の低迷に人口増加の鈍化が果たす役割を強調した. 現代の議論は,この強調点をふたたび取り上げるようになっている:日の労働人口減少は,あの国が抱えるいろん

    ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」
  • ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」

    Paul Krugman “The Right Course for a Troubled Japan,” Krugman & Co., November 26, 2014. [“Structural Deformity,” The Conscience of a Liberal, November 20, 2014.] 苦しむ日がとるべき道筋 by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 日の安倍晋三首相が消費税増税の延期を模索してるのは,正しい.延期はいい経済政策だし,ぼくにとってはかなり新鮮な経験でもある――国のリーダーと会って,正しい政策の主張をして,その相手がまさにそのとおりにやってるんだもの.(もちろん,同じ主張をしてた人はぼく以外にたくさんいる.) ただ,懐疑の声もたくさんある.全面的に正当な疑いだ:

    ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」
  • ポール・クルーグマン「忘れられた90年代日本の教訓」

    Paul Krugman “The Forgotten Lessons of Japan in the ’90s,” Krugman & Co., October 31, 2014. [“When Banks Aren’t The Problem,” The Conscience of a Liberal, October 27, 2014; “The Deficit Is Down, and Nobody Knows or Cares,” The Conscience of a Liberal, October 8, 2014.] 忘れられた90年代日の教訓 by ポール・クルーグマン Ko Sasaki/The New York Times Syndicate 告白を1つ――ときどき,こんな風に思えてしまう.日が陥った流動性の罠についてぼくが1998年にはもう書いてたブルッキングス

    ポール・クルーグマン「忘れられた90年代日本の教訓」
  • ポール・クルーグマン「大衆迎合赤字財政垂れ流しの誘惑?」

    Paul Krugman “The Temptation to Spend,” The Conscience of a Liberal, November 7, 2014. [“Why don’t We See More Macroeconomic Populism?,” The Conscience of a Liberal, November 4, 2014] 大衆迎合赤字財政垂れ流しの誘惑? by ポール・クルーグマン Meridith Kohut/The New York Times Syndicate このところ何度か指摘してるように,日銀行がもっとお金を刷る政策について,日国内に反対意見がたくさんある.それに,増税すべしと政府にかかる圧力も大きい.日以外の先進国で起きてることも,これとそう大差ない:量的緩和を実施してきた中央銀行は,政治的圧力におされてではなくて,これに対

    ポール・クルーグマン「大衆迎合赤字財政垂れ流しの誘惑?」
  • ポール・クルーグマン「30年代の再演:ヨーロッパは間違った教訓を学びつつある」

    Paul Krugman, “Europe Is Learning The Wrong Lessons,” Krugman & Co., September 19, 2014. [“The Structural Fetish,” The Conscience of a Liberal, September 9, 2014; “Replaying the 30s in Slow Motion,” The Conscience of a Liberal, September 15, 2014.] ヨーロッパは間違った教訓を学びつつある by ポール・クルーグマン Akos Stiller for The New York Times/The New York Times Syndicate 先日の『フィナンシャル・タイムズ』に,いま出現しつつある「ドラギノミクス」の方針に関する割とよさげな記事

    ポール・クルーグマン「30年代の再演:ヨーロッパは間違った教訓を学びつつある」
  • ポール・クルーグマン「中流社会に関する思い違い」

    Paul Krugman, “Misperceptions About Middle-Class Society,” Krugman & Co., August 29, 2014. [“Inequality Delusions,” August 20, 2014; “The Euro Catastrophe,” August 29, 2014] 中流社会に関する思い違い by ポール・クルーグマン Doug Mills/The New York Times Syndicate ドイツ経済研究所 (IW) が,先進諸国で格差がどう受け止められているか比較している――この研究で大事なお持ち帰りメッセージは,「ヨーロッパ人と比べてアメリカ人は自分たちが中流社会に暮らしていると思う傾向が強い」ってことだ.実際には,ヨーロッパと比べて,所得の分布はずっと不平等なのにも関わらずね. たとえば,アメリカ

    ポール・クルーグマン「中流社会に関する思い違い」
  • ポール・クルーグマン「失業者を叩く世間知らずな保守派」

    Paul Krugman, “A Conservative Disdain for the Unemployed,” Krugman & Co., September 26, 2014. [“John Boehner’s Theory of the Leisure Class,” September 19, 2014; “Return of the Bums on Welfare,” September 20, 2014] 失業者を叩く世間知らずな保守派 by ポール・クルーグマン Doug Mills/The New York Times Syndicate 下院議長ジョン・ベイナーに言わせると,失業中のアメリカ人どもが仮病のサボリ野郎なのは実に明瞭で,はたらく気もサラサラなくて福祉にたかる怠け者なんだって:「おそらくはこの2年ほどの経済から生まれた考えなのでしょう,こんな言い分がありま

    ポール・クルーグマン「失業者を叩く世間知らずな保守派」
    mimizukuma
    mimizukuma 2014/10/04
    “右派はいもしない「福祉にたかる怠け者」を非難しているだけじゃない.そもそも福祉がないのにそいつにたかる奴らがいると非難しているんだ. ”
  • ポール・クルーグマン「スコットランド独立にとってポンドは大問題だ」

    Paul Krugman, “The Pound Poses a Problem for an Independent Scotland,” Krugman & Co., September 12, 2014. [“Scotland and the Euro Omen,” September 9, 2014; “Day of IMFamy,” August 30, 2014.] スコットランド独立にとってポンドは大問題だ by ポール・クルーグマン Andrew Testa/The New York Times Syndicate イギリスから独立するかどうかに関するスコットランドの国民投票に関する先日のコラムで言った論点をここで言い直してみたい.できれば,さらに明瞭にしたい. スコットランドが独立を宣言すれば,既存の経済・金融のあり方に大きな混乱が生じるだろう.オックスフォードの経済学

    ポール・クルーグマン「スコットランド独立にとってポンドは大問題だ」
  • ポール・クルーグマン、日本への緊急提言

    Paul Krugman, “Japan: Don’t Ruin A Good Thing”, September 19, 2013. 日:いいところを邪魔すんな by ポール・クルーグマン Paresh/The Khaleej Times – Dubai, UAE/CartoonArts International/The New York Times Syndicate ここまでのところ、アベノミクスはホントにホントうまくいってる。「日銀行は変わったんだ」、「宴もたけなわのところで酒瓶を片付けてしまうようなマネはしない」、「持続的なプラスのインフレ率を目標にする」とシグナルを送り、また、債務は高水準ではあるものの、なんらかの財政刺激をまもなく行うというシグナルも送ることによって、日の当局者たちは、短期の経済実績で刮目すべき転回を成し遂げた。 でも、この短期の成功は、自己破滅的なお

    ポール・クルーグマン、日本への緊急提言
  • タイラー・コーエン 「日本のテレビ番組に見る『ただ乗り問題』 ~三銃士 vs 50人の素人集団~」(2014年5月7日)

    ●Tyler Cowen, “The free rider problem as illustrated by a Japanese fencing video”(Marginal Revolution, May 7, 2014) ジェイソン・コッキー(Jason Kottke)のブログより。 日テレビ番組で、少々風変わりなフェンシングの試合が組まれた。3名のプロ選手――「三銃士」――が50人の素人集団を相手に試合を行ったのである。 正直言って、あんなに面白い展開になるなんて思いもしなかった。①素人集団が束になってかかって、三銃士があっという間にやられてしまうか、②試合が30秒を超える長期戦になって、三銃士が素人を手際よく次々と始末していくか、のどちらかになるだろうなって予想していたのだ。しかしながら、待っていた結果は何とも興味深いものだった。 50人の素人集団は、やるべきことをやらな

    タイラー・コーエン 「日本のテレビ番組に見る『ただ乗り問題』 ~三銃士 vs 50人の素人集団~」(2014年5月7日)
  • ポール・クルーグマン「ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる」

    Paul Krugman, “Bad Decisions Yield Grim Results in Europe,” Krugman & Co., August 22, 2014. [“What’s the Matter With Europe?,” The Conscience of a Liberal, August 13, 2014.] ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる by ポール・クルーグマン KAL/The New York Times Syndicate ほんの数ヶ月前,ヨーロッパの緊縮派はせっせと自画自賛にはげんでいた.南欧でほどほどに経済が上向いたのを見て,これこそ自分たちの対応の正しさを裏打ちするものだと宣言していた.ところが,いまやニュースで伝えられる状況はゾッとするほど雲行きがわるい.鉱工業生産は急落を見せ,またしても景気後退にずり落ちるのを

    ポール・クルーグマン「ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる」