安倍晋三首相が2年半で50余か国を歴訪し、地球儀外交を行ってきたことに対し、一部には内政軽視とか世界観光旅行などと揶揄する向きもあった。 しかし、これからも首相は世界を駆け巡るであろう。その点からはこれまでの外交は序盤戦に過ぎなかった。この間に掴んだ積極平和の糸口を中盤で根づかせ、終盤には未来への飛躍につなげるようにすることが必要になってくる。 序盤戦の集大成は、周辺諸国との関係で言えば侵略や植民地支配を政治の場に持ち込まず、また繰り返されてきた謝罪要求などにけりをつける安倍談話であると言えよう。 自虐史観の村山談話 野党に転落していた自民党は自信をなくしていた。そこで政権奪取の切り札として担ぎ出したのが、社会党委員長村山富市氏(当時)であった。氏は「歴史も国際政治も理解することな」く、「首相としての資質をほぼ完璧に欠落させた人物」(桜井よしこ氏「村山談話、その卑しき出自」『WiLL』20