養老孟司の著書「バカの壁」(新潮社)は、約450万部を売り「平成で1番売れた新書」だそうだ。しかしこの本のメッセージが日本人に行き渡っているかと言えばそうではないらしい。 東京オリンピックをめぐって、デザイナー、演出家、作曲家などが次々と失脚する騒動を見るにつけ、私はバカの壁の第四章「万物流転、情報不変」の内容を思い出す。 現代人は「情報は日々刻々と変化し続け、それを受け止める人間の方は変化しない」と思いこんでいるという。「情報は日替わりだが、自分は変わらない、自分にはいつも個性がある」と考えていると。しかし、これは実はあべこべの話であり、実際は「人間は常に変化・流転し、逆に情報は不変」であるというのだ。 人間は成長し、老いてもいくし、経験によって考え方も変わってくる。だから、人間は日々変化している。一方、情報とは例えば言葉だ。昔の名言は、一字一句変わらぬまま現代に残っている。そういう意味
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