医師の古川聡・宇宙飛行士(58)が研究代表者を務めた医学研究にデータの捏造(ねつぞう)や改ざんなどがあった問題で、筑波大のチームが2018年にこのデータを使った論文を発表していた。JAXAは論文発表されていないことを理由に「研究不正に該当しない」と説明しているが、こうした対応にJAXA内で異論が出ていることが、関係者の話でわかった。 この医学研究は古川飛行士ら3人が責任者を務めたチームが16~17年に実施。将来、月や惑星の探査に参加する飛行士の精神面の健康管理手法に生かそうと、閉鎖空間での生活が人体にどのようなストレスを与えるかを実験した。 5回にわけて一般から募集した計42人の被験者が、茨城県つくば市にある国際宇宙ステーション(ISS)を模した閉鎖環境施設で14日間過ごし、血液や尿などのデータを取った。 その後のJAXAの調査で、研究者が存在しないデータを作成したり、評価をわざと書き換え