ついに内宮(ないくう)に到着した。内宮は正式には皇大神宮(こうたいじんぐう)といい、御祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)である。入り口にそびえ立つ大鳥居をくぐり、五十鈴川(いすずがわ)にかかる宇治橋(うじばし)を渡る。宇治橋は日常の世界から神聖な世界を結ぶ架け橋といわれている。宇治橋を渡っていると、気持ちが張り詰めてくるとともに、心が洗われ、清らかな気分になってくる。いよいよ神の領域に足を踏み入れた。 宇治橋を渡ると、砂利を敷き詰めた長い参道を進む。両側には美しい緑の木々が植えられ、満開の桜と見事なコントラストを見せていた。域内に植えられている杉の木や松の木はどれも立派で、そびえ立つ一本杉も見事であった。 五十鈴川の水で身も心も清め、瀧祭神(たきまつりのかみ)に参拝に来た挨拶をした後、いよいよ正宮(しょうぐう)に向かう。正宮は10年前に参拝した場所の隣に移されており、古殿地(こでんち