201X年、米国はまたも同時多発テロに襲われた。ニューヨークやロサンゼルスなどの人口密集地で自爆テロとみられる大爆発が10カ所以上も発生、特にNYの地下鉄で起きた爆発は大規模な火災を誘発し、死傷者は計3000人を超えた。 犯行グループはすぐに判明した。米軍撤退後のイラクで勢力を急速に伸ばした武装組織の一派が犯行声明を発したのだ。バラク・オバマの後を継いだ米大統領はホワイトハウスで会見し、次のように宣言した。 「我々は、暴虐なテロ行為の首謀者たちを決して許さない。どこまでも追いつめ、徹底的に殲滅する」 以上はもちろん架空の話である。だが、イラクでは現在、イスラム教スンニ派の過激組織が支配地域を拡大し、米国が連日の空爆を実施している。これに反発する一派がテロ攻撃を仕掛け、米国が大規模な報復に出る可能性は十分にある。 こうした事態が現実化した場合、国際社会では一体何が起こるか。国際法に反する軍事