耐震改修中の大阪大学豊中キャンパスのイ号館の壁を壊したところ、戦前に天皇、皇后の「御真影(ごしんえい)」や教育勅語を納めていた金庫型の「奉安庫」が見つかった。同大は21日午前、鍵を開ける作業を始めた。全国の学校に設置されていた奉安庫、奉安殿の多くは、連合国軍総司令部(GHQ)が1945年12月に出した神道指令で解体された。発見した同大学の廣川和花助教は「奉安庫の手前に壁を作り、65年間も見つからなかったのは珍しい」とみる。 イ号館は28年の建築。49年の学制改革で大阪大に包括された旧制浪速高校の本校舎で、国の登録有形文化財に指定されている。1階の元校長室(約66平方メートル)の北西角を斜めに仕切っていた壁(厚さ約3センチ)をはいだところ、しっくいに埋め込まれた観音開きの奉安庫(高さ94センチ、幅73センチ)が見つかった。 東京、神奈川で奉安殿の遺構調査をした玉川大学教育博物館の白柳弘幸