ソナグラムで音の周波数の時間変化を見てみると,ジュウシマツの歌にはいろいろな要素が含まれ,複雑な流れをもっていることがわかる。そこで,歌の構成要素を分類し,形の似たものに同じアルファベットをつけ,録音した歌をアルファベット列で表現してみた。たとえば,図(③)の歌は dddefghidddefghidddefhiabcdddefghiabcdddefghidddefghidddef…… という記号列で書き表わせるわけだ(図③のソナグラムはこの記号列のごく一部)。文字の並びを見ていただきたい。なんとなくあるかたまりが見えてこないだろうか。dddef,ghi,abcなどだ。これに注目し,それぞれのかたまりを, dddef→A ghi→B abc→Cと書き換えると,上の記号列は, ABABAhiCABCABABAとなる(hiが1つ残るが,このような「拾いもれ」はごくわずかだ)。 このようにして記号
![Experiment ジュウシマツの歌の〈文法〉](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4cbe8156617c0166fb3b717feafb0f1bceb0216d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.brh.co.jp%2Fcommon%2Fimg%2Fnoimg.gif)