メタ超心理学研究室 研究報告 報告者:石川幹人 「メタ超心理学の可能性」 0.はじめに 超心理学の現状は、データを積み重ねても通常科学には対抗できないとされる科学史上の知見の、現在進行中の典型例であるし、研究成果が排斥されるダイナミズムは、科学社会学の格好の研究題材である。また、超心理学は科学の周縁に位置し、科学というものの境界設定の問題を再認識させる科学論上の興味深さもある。こうした超心理学の社会学や哲学を、「メタ超心理学」として捉えて行きたい。 1.超心理学者の主張 近年、厳密に設定した超心理学実験(超心理学講座2-1)から、肯定的な実験データが積み上げられている。次のような実験の成果をメタ分析(超心理学講座2-9)した結果によって、超心理現象(PSI、超心理学講座1-1)の存在は統計学的に裏付けられている。 ・ ガンツフェルト実験(超心理学講座3-2)では、感覚遮断状態にある