「薔薇の葬列」の一場面[映画.com ニュース] これまでの日本映画史に前例のない映像表現で話題を集め、今なおカルト作として語り継がれている松本俊夫監督のデビュー作「薔薇の葬列」(69)と鶴屋南北の狂言を基にした時代劇「修羅」(71)が、初ブルーレイ化&再DVD化される。戦後の高度成長期の文化を背景に、松本監督の卓越した映像感覚はどのように培われたのだろうか。松本監督に話を聞いた。 学生運動の嵐吹き荒れた1969年、本作で主役に抜てきされた当時16歳のピーター(池畑慎之介☆)演じるエディの姿がスキャンダラスに受け止められた。「僕としては表現したいもののモチベーションがその時代の中にどう根ざしているか、それと自分の芸術に対しての関心のあり方がどう絡んでいくかということに興味がありました」と語る。そして、時代に切り込むためには、当時ありがちな政治的な身振りで主張することは安直だと考えたそうだ。
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