(小川充) ザ・エックス・エックスはデビュー・アルバムの『エックス・エックス』を2009年に発表して以来、インディ・ロックのあり方を変える存在であったと言える。ギターのロミー・マドリー・クロフトとベースのオリヴァー・シム、そしてドラムの代わりにキーボード/プログラミングのジェームズ・トーマス・スミスという変則的なトリオ編成で、デビュー当初はポスト・ダブステップやベース・ミュージックといった方面からも語られていた。それはジェームズがジェイミー・エックス・エックスという名前でDJ活動もおこない、エレクトロニック・サウンドに大きくコミットしてきたからだ。彼の存在により、ザ・エックス・エックスはインディ・ロックとクラブ・ミュージックを繋ぐ筆頭となった。ザ・エックス・エックスの音楽性そのものを見ると、ダークでメランコリックな色調を帯びたギター・サウンドが軸にあり、英国のロック・バンドに顕著なスタイル