「地域に根付いて、社員と共に事業を広げて、会社を長く成長させたい」。こんな思いを持つ経営者や企業幹部は多いでしょう。かねて日本企業には社員やその家族、さらには地域社会を大切にして、短期的な利益よりも長期的な発展を望む姿勢が強くあります。その考えは、「業績が良ければ社長が高額の報酬をもらい、利益が減ったら社員をリストラすればいい」という、いわゆる米国型の経営とは一線を画するものでしょう。 一方で日本的経営を支持していても、「終身雇用や年功序列を徹底すれば会社はうまく行く」と考える経営者は少ないのではないでしょうか。経済のグローバル化が進み、世界の企業と戦うためには、新たなイノベーションが欠かせません。長期成長には旧来の慣習にこだわらない変革が欠かせないのです。オリックスでの長年の経営から、新たな持続的成長の条件をまとめてみました。そのエッセンスを3回に渡って公開します。 宮内義彦(みやうち・