大ヒットのミステリー小説「変な家」(飛鳥新社)の著者で、「雨穴」(うけつ)と名乗る仮面のYouTuberをご存じだろうか。YouTubeでは一見、気味の悪い動画が子供や若者を中心に人気だったが、「変な家」では、家の間取り図からその住人の暗部が暴かれていくという斬新な作風が幅広い年代の心をつかみ、売り上げ100万部突破のベストセラーに。 最近、映画化もされ、これも大ヒットしている。仮面の奥から生み出される、そこはかとなく怖い雨穴作品はなぜ今、人の心をつかむのか。本人にインタビューした。(菅原慎太郎) 間取り図から人間の暗部を描く ――間取り図から謎を解く展開はどう思いついたか 雨穴さん:(以下敬称略):ホラーでたびたび、扉のない謎のスペースが題材とされますが、監禁スペースや座敷牢だった…という結末が多いんです。そこに新しいストーリーの着地点を作れないかと思ったのが初めですね。それを物語として