司直の手に落ちた「五輪招致のキーマン」と「長銀を潰した男」――。文藝春秋10月号より、ジャーナリスト・西﨑伸彦氏による「 高橋治之・治則『バブル兄弟』の虚栄 」の一部を掲載します。 【画像】高橋氏は安倍氏の電話に「私は捕まりたくない」と述べたという ◆◆◆ 東京都が2016年五輪の招致に敗れ、再び次の2020年五輪招致に向けて正式に立候補を表明した約1年3カ月後。12年12月に、それまで下野していた自民党が再び政権に返り咲き、第2次安倍晋三内閣がスタートした。 安倍政権が肝煎りで推進した五輪招致のキーマンとなる男は、当時の状況について知人にこう話している。 「最初は五輪招致に関わるつもりはなかった。安倍さんから直接電話を貰って、『中心になってやって欲しい』とお願いされたが、『過去に五輪の招致に関わってきた人は、みんな逮捕されている。私は捕まりたくない』と言って断った。だけど、安倍さんは『大