訪日外国人旅行者が急増する中、滞在中にけがや病気で病院にかかり、医療費が未払いになるケースが増えているとみられることから、厚生労働省は十六日までに未払いの実態調査に乗り出すことを決めた。 近畿運輸局が昨年、大阪府で実施した調査では、訪日客を受け入れた病院の30%で未払いが発生。旅行保険に入っていなければ全額自費払いになるため、救急病院にかかり一件で約八百万円というケースもあった。国民の保険料や税負担に直接は影響しないが、病院経営を圧迫する要因になりかねないとの懸念が広がっている。 訪日外国人旅行者は二〇一〇年には約八百六十一万人だったが、政府の観光振興キャンペーンなどで一六年に過去最高の約二千四百四万人に急増。東京五輪・パラリンピックが開催される二〇年には四千万人に増やす目標を掲げている。観光庁によると、訪日客の約30%は旅行保険に加入しておらず、医療費未払いの一因になっている。 厚労省は