栃木県足利市で90年に女児が殺害された足利事件で、無実の罪を着せられた菅家(すがや)利和さん(62)の裁判をやり直す再審の初公判は10月21日に決まった。宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で半年間審理される見通しだ。過去の再審は迅速な無罪判決の言い渡しに主眼が置かれ、冤罪(えんざい)や誤判防止などに関する議論はほとんどなかった。検察側が争わない姿勢の今回は異例の長さだ。私は再審を、現行法制度の不備や問題点をあぶり出し、必要な法整備を進める議論の礎にすべきだと思う。 再審の進め方について、佐藤裁判長は4日に同地裁であった弁護団、検察側の3者協議で、半年間の日程を主張し、一定の証拠調べをする意向を示した。だが、「誤判原因の解明は裁判所の権能を逸脱する」とも述べており、具体的にどんな証拠調べが行われるかはまだ分からない。 宇都宮地検も同様の見解だ。高崎秀雄次席検事は「(検証を求める菅家さんの)思いは分