演歌に強力ビート 音楽的革新者だった 演歌はあくまでも近代の産物 艶歌を「北島三郎的なものとして再定義」を キタサンブラックの馬主として最近何かと話題の歌手北島三郎さん。2月に大阪で、3月に東京で公演を開くなど、一昨年の頸椎(けいつい)手術以後、抑え気味だった歌手活動を今年は本格化させそうです。デビューから半世紀以上にわたり第一線で活躍する大御所。演歌の系譜から眺めると、「古きよき」日本の歌い手ではなく、「アウトロー的英雄性」の顔が見えてきます。サブちゃんの真骨頂とは何か? 大阪大学の輪島裕介准教授(近代日本音楽史)に聞きました。 ――演歌の一般的なイメージとは? 「演歌は1970年代にメディアや音楽業界が『古きよき日本』『伝統的』などをイメージ付けして生み出した比較的新しい音楽ジャンルで、北島さんはその原型を作った歌手の一人と言えるでしょう」 「ただ、実は『ふるきよき日本』を直接テーマに