少し前に、電通社員の過労死自殺が話題を呼んだ。 同じく過労死を引き起こした大手企業であれば、ワタミの社員が入社2カ月を経たずして自殺したことも衝撃的なニュースだっただろう。 さて、過労で死んでしまうほど過酷な労働環境がおかしいということはもはや言うまでもない公然の事実であるためわざわざそこには触れない。今回私が着目したいのは、労働環境のおかしさではなくこの国の法律のおかしさだ。 より具体的には、「たとえ人を殺しても、過労が死因であれば殺人罪に問われることがなく、ましてやその罪も著しく軽い」ということだ。 苦しめて殺した方が罪が軽い。そう、過労死ならね 過労死へと追い込むことの悪辣さ まずなにより、過労死は経営者が意図的に行わなければ起こりえない事柄である。 法律により長期の残業は規制されているし、また月に80時間以上の時間外労働からが過労死ラインであると明確に定められている。 (1日8時間