全国のがん診療連携拠点病院が登録した患者数や治療法の施設別データをもとに、国立がん研究センターは25日、都道府県別のがん治療の傾向をまとめた。比較的早い時期の乳がん治療は「手術のみ」に限らず、放射線や薬物との組み合わせが一般的。ところが、手術だけの患者の割合が鹿児島県で半数近かった一方、長野、石川両県は1割未満にとどまるなど、地域差が大きいことが分かった。 データは、「院内がん登録」という手続きで08年の1年間に集められた。全国359施設、42万8196症例を分析した。 早期の乳がんは、患者負担を減らすため切除を小さくし、放射線などを追加する治療が広がっている。比較的早期の乳がんと診断された全国2万7354症例を分析したところ、最初の治療で手術だけを実施した症例は平均22.3%、手術と薬物が35.9%、手術と放射線と薬物が29.9%、手術と放射線は7.0%だった。手術だけの割合が高かったの