私の妻は日本人。イタリア人のメイクアップアーティストにメイクをしてもらったことがある。 その時、帰宅してきた顔を見て、「な、なんだ! そのニューハーフ顔は!」と思わず叫んでしまった。あまりにどきつい。本人も洗面所に駆け込んで、急いで化粧を落とした。しかし、帰宅途中、道行く人たちが妻の顔を笑ったということはない。 結局、妻がイタリア人にメイクを任せたのは、2回しかない。懲りごりなのだ。1回目、派手派手しいカラーで目の周辺をべっとりと塗られた。そこで彼女は、2回目は「自然な感じに・・・」と頼んだ。確かに、メイクアップアーティストは、青系ではなく、茶系を使った。だが、日本人にしてみれば“ケバイ”のは変わらなかった。 日本では化粧したかどうか分からないような、自然な化粧が好まれる。しかしヨーロッパでは、化粧をするなら、化粧をしたことがはっきり分かる化粧がよい。日本水墨画を象徴する絵師である長谷川等
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