今週のコラムニスト:レジス・アルノー 韓国が国際的な文化大国になるなんて、5年前は誰が考えただろう。韓国の現代映画は世界中で注目の的、釜山国際映画祭はアジアの主要な映画祭だ。ソウル国際公演芸術祭はアジアの主要な舞台芸術フェスティバルで、国外にも作品を輸出し始めている。K─POPはアジアを席巻、今や日本のティーンエージャーもJ─POPよりK─POPに夢中だ。 それに引き換え、日本は文化の輸出が足踏み状態。政府は日本の「ソフトパワー」を確立したいと言うが、政府援助はかえって迷惑だ。 20世紀、日本映画は世界有数の影響力を誇った。溝口健二はフランスの巨匠ジャンリュック・ゴダールにひらめきを与え、黒澤明はジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』の誕生に不可欠だった。 今では、日本映画は海外ではほとんど上映されない。質が低過ぎるせいだ。国際的に評価が高いのは、『おくりびと』や『キャタピラー』など、公