【ワシントン=加藤洋一】オバマ米政権は、駐日大使ポストに、シリコンバレーでIT企業の合併・買収などを手がける弁護士で、大統領選でオバマ氏の勝利に大きく貢献したジョン・ルース氏(54)を指名することを決め、19日、日本政府に通知した。ハーバード大教授のジョセフ・ナイ氏を指名する方向で政権内部の最終調整が進められていたが、大統領との個人的な関係の緊密さを優先、土壇場で差し替える形となった。 日本政府からの返答を待って、近くホワイトハウスが発表する見通しだ。上院の指名承認を経て任命される。 駐日大使の最終決定は、政権の政治任命プロセス全体の遅れのあおりを受け、先送りが続いていた。が、先週の駐中国大使の指名発表を受け、日中のバランスを考えて急きょ人選が進められた。 ルース氏はスタンフォード大ロースクールの出身。カリフォルニア州シリコンバレーにある弁護士事務所に入り、現在、最高経営責任者(CE
漂流国家 役人たちの信頼は地に落ち、政治家はどうしようもないほど無能だ Yuriko Nakao-Reuters 高級店が立ち並ぶ東京・銀座のど真ん中に火星人が舞い降りて、「この国のリーダーに会わせてくれ」と言ったとする。20年前なら彼はいろいろな場所に連れていかれただろう。天皇のいる皇居かもしれないし、どこかの官庁の大物官僚のところかもしれない。国会の有力政治家や、大企業の社長に引き合わされた可能性もある。 だが今そんな質問をされたら、ほとんどの日本人は困惑するだけだろう。火星人はがっかりして消えてしまうに違いない。 現在の日本にはリーダーがいない。天皇はストレスが原因とみられる体調不良を訴えているし、役人たちの信頼は地に落ちた。政治家はどうしようもないほど無能で、ビジネスエリートたちは経済を立て直せずにいる。どこを見ても責任者らしき人物は見当たらない。 皮肉なことに、日本は伝統的に有能
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