大阪市住吉区で平成16年、当時の大阪地裁所長が重傷を負った強盗致傷事件で、逮捕後に無罪が確定した元少年ら5人が大阪府などに計約6千万円の国家賠償を求めた訴訟は12日午前0時、双方が上告しなかったことにより、府に1450万円の賠償を命じた2審大阪高裁判決が確定した。刑事、少年、民事と争われた一連の裁判は事件発生から7年余りを経て、ようやくすべてが終結。刑事裁判で大阪地裁が無罪を言い渡した後もなお5年半にもわたって裁判が続いた背景には、司法判断が揺れ動いたこととともに、捜査当局のメンツも透けてみえる。(福富正大、宝田良平) 3人が「自白」…無事解決かと思われたが 事件が起きたのは16年2月16日午後8時35分ごろ。大阪市内でも指折りの高級住宅地である住吉区帝塚山西の路上で、帰宅途中だった大阪地裁の所長が4人組の男に襲われ、現金6万3千円を奪われた上、骨盤を折る重傷を負った。 有力な目撃証言はな