大阪市内のマンションで幼い姉弟2人の遺体が見つかった虐待死事件で、殺人罪に問われた母親の無職、下村早苗被告(24)の裁判員裁判の判決公判が16日、大阪地裁で開かれた。西田真基裁判長は下村被告には殺意があったと認定、懲役30年(求刑無期懲役)を言い渡した。 検察側は論告で、「被告は幼い子供に食事を与えず、部屋の扉に粘着テープを貼って閉じこめたまま約50日間帰宅しなかった」と指摘。被告には殺意があったとし、「わが子2人を飢餓状態にさらし続けた前例のない事件で、2人の絶望感は筆舌に尽くしがたい」と非難した。 一方の弁護側は最終弁論で、「被告は幼いころに受けた育児放棄などが影響し、恐怖を無意識に避ける特殊な心理状態にあって死ぬことに意識が働かなかった」と反論。殺意はなく、保護責任者遺棄致死罪にとどまると主張した。 下村被告は最終意見陳述の際、涙を流し「もう一度2人を抱きしめたい。こんなひどい母親で