政治でも社会でも科学技術でも、なんであれ「自分の頭で考える」ことができるのは選ばれしエリートのみだ。 情報の真偽を確かめなくても、現象の論理的説明をしなくても、なんとなく世間の動向に流されるだけでも、なんとなく生きていける。 真っ当に文献調査をしなくても、テレビやまとめサイトが、雑な根拠によって力強く主張をしてくれる。その言葉を疑うはずがない。 まず疑うという発想がでてこない。テレビという権威が嘘をつくと考えるなど、よほど疑り深い者だ。 普通に生きていけば、自分の頭で考えるなどという疲れる生き方に至るはずがない。 考えることが楽しい、という者も少数派だ。友人とあたりさわりのない雑談をする方が楽しいのが普通。 リテラシーを獲得する経緯がある方が不自然だ。