今年、中国はひとつの節目を迎える。’90年代生まれの「90后」が大学を卒業し、社会人となるからだ。天安門事件以降に生まれ、改革開放が本格化した時代に育った彼らは中国で「新中国人」「新人類」と呼ばれ「協調性に乏しい」「忍耐力に欠ける」などのレッテルがつきまとう。ちょうど日本のゆとり世代と似たような位置づけだ。 『新華網』(’11年12月1日付)によると、すでに’12年卒の就職活動が本格化しており、大卒予定者は680万人にのぼるという。就職浪人と合わせると、約1000万人が就活しているということになるが、当の90后はいたってマイペース。就活中のある女子大生は「内定をもらった会社は2か月間飲まず食わずで働かないとiPadすら買えない」と、内定を辞退する旨を語ったという。中国の未来を担う彼らのこうした態度に、中国内でも危惧の声が高まっているが、90后の中卒・高卒者がすでに中心となりつつある工場では