筆者は、2010年1月27日に米国サンフランシスコで開催されたiPadの発表会に参加し、iPadに触れられた数少ない幸運な一人として、その後数カ月にわたって各地で講演してきた。面白いのが、講演前のiPadの評価が2つにキッパリ分かれることだ。一方は、iPadのスペックシートだけを見て、「ただのデカいiPhoneじゃないか」とガッカリしている人たち。もう一方が、「これはすごいことになりそうだ」と興奮している人たちだ。 確かに、iPadのスペックだけを見たら、それほどすごい製品と思えないかもしれない。それでもiPadが売れているのは、スペックシートではわからない「体験」を提供し、人々を感動させているからだ。その「体験」を生み出すiPadの魅力とそれを生むアップルのものづくりの姿勢を紹介しよう。 解像度はキンドルやノートPCより低い iPadの魅力の一つは、その画面の大きさと美しさだ。筆者のお気
今回のiPhone OS 4.0の発表ではマルチタスキング機能の追加など、ユーザー向けの発表に注目が集まった。Appleもユーザー向けにフォーカスした発表をしていたわけだが、実は発表の陰にAppleの重大な意図が隠されている。パソコン上ではGoogleに覇権を握られたが、ユーザーのネット利用はモバイル機器に移行しようとしている。新しく幕が開くモバイルコンピューティングの時代に、AppleはGoogleから覇権を奪取しようとしているのだ。その最初の一歩が、今回発表されたモバイル広告プラットフォームのiAdと、ソーシャルゲームの「ゲームセンター」機能だ。あまり注目されないこの2つの発表こそが、IT業界にとっても最も重要な発表だといえる。 PCというプラットフォーム上では、検索という領域の覇権を握ったGoogleが圧倒的な強さを誇った。何かを購入したいという消費者は、ネット上のクチコミなどの情報
米国時間3月24日、ZDNetのJason Perlow記者は、4月3日(米国でAppleの熱狂的ファンたちがiPadを手に入れ始める日)がKindleの終わりの始まりの日になるとして、Kindleの追悼記事を書いた。 この記事は、iPadがKindle(少なくとも最上級機種のKindle DXと比較すると)を価格でも性能でも上回っているという点では正しいかも知れない。しかしiPadは、より重要な要素である、顧客を疎かにしないという点についてもKindleより優っていると言えるだろうか?ここではAppleがAmazonに学ぶべき点を紹介する(ただし、公平性を保つため、AmazonがAppleに学ぶべき点も近日中に紹介する予定だ)。 購入した電子ブックが将来にわたって利用できるか AmazonのKindleは、Amazonの電子ブックを配信するハードウェアプラットフォームとしてスタートした。
発売中の日経トレンディ6月号(5月1日発売)「スマートフォン&iPad完全ガイド」の一部を転載したものです。情報は基本的に発売時点のものとなります。 アプリはスマートフォンの魅力を高める重要な要素。ケータイとは違い、自分に必要なものを足すことで初めて「完成形」になる。周辺グッズも同様だ。活用次第で、スマートフォンは全く違った魅力を持ってくる。 例えば、おサイフ機能への非対応は、スマートフォンの弱点として語られることが多い。だがiPhoneに関しては、すでに“おサイフ化”の手段が充実している。 特に薦められるのは、米Case-Mate(ケースメイト)製のiPhoneケース。本体裏側のカード用スペースには、カードを2枚まで入れておくことができる。IC乗車券を入れて持ち歩けば、気分は完全におサイフケータイだ。カードの出し入れがしやすいのも、このケースのメリット。実用性は高い。 チャージに関しては
4月3日土曜日、情報化研究会・第11回京都研究会を開催するため、京都へ行った。会場は昨年に引き続き、JR京都駅前のキャンパスプラザ京都だ。東京からの15人を含め、41人が参加した(写真1)。NTTグループの若い社員から、東大教授や裁判官までいるという多彩な顔ぶれだ。もっとも、裁判官のYさんは20代の方で、数年間、IT業界で働きながら司法試験の勉強をし、司法修習を経て今年任官したばかりの判事補だ。何年か前、Googleで自分の名前を検索すると「ネットワークエンジニアの心得帳」のことを褒めているYさんのブログを発見した。筆者がそこにコメントを書いたのがきっかけで情報化研究会に入会したのだ。ITの仕事をしながら司法試験にパスするとは大したものだ。 さて、今回は研究会の三つの講演のトピックについて書きたい。 成功するプロジェクト、失敗するプロジェクト 最初に登壇した筆者は、「2010年代の企業ネッ
医療サービス業界にも、Web 2.0的な動き? 2007年8月17日 経済・ビジネス コメント: トラックバック (2) Scott Gilbertson 2007年08月17日 Photo: AlphachimpStudio 『New York Times』紙は、米Google社と米Microsoft社の2社が、近い将来、オンライン医療市場に進出する可能性があると報じた。 それが本当なら、いつかGoogle社のホームページのトップに『Google Health』へのリンクが登場するのだろうか? ただし同紙によると、このプロジェクトはまだ社内で試作版を運用している段階で、ベータ版として公開する見通しさえ立っていないという。 しかし、記事は読者を焦らすかのように、Google Healthの全容のごく一端を明らかにしている。 2人の人物が、試作版のスクリーンショットを用いたプレゼン資料を記者
iPadが発売されて3週間ほどが経過した。発売当初の熱気が落ち着きつつあり、改めてiPadについて振り返ってみるにはいい時期ではないだろうか。米国での3G版発売が5月7日と正式発表される一方で、日本を含む世界での販売は5月末に遅延と残念なニュースも出ているが、2週間ほどiPadを使い続けてきた感想と、これまでに出てきたiPad関連のニュースをまとめて、iPadリポート総集編という形でお届けしていく。 以前に、Appleイベント現地リポートまとめの後編として「ぼくらは“未完成”の「iPad」に期待しすぎていたのだろうか」という記事を書いたが、ここで「iPadは高齢層や教育現場、PCとは縁のやや薄い一般層あたりに需要があるのではないか?」という言葉でまとめのコメントを締めてみた。 iPadのような“PCの一歩手前”である機能限定型デバイスは、多くの一般層を対象に潜在的な需要があるのでは、とは常
Appleの「iPad」は最近、各種報道による無料の宣伝効果を享受している。先週は、ノルウェーの首相が空港から指示を与えるために同タブレットを使用していたと報道された。そして今回は、iPadによって病による悲しみを克服したと語るオレゴン州ポートランドの近くに住む99歳の女性の話が明らかになった。 The Oregonianの記事によると、オレゴン州のレイクオスェゴ在住のVirginia Campbellさんは、緑内障を患い、大好きな趣味である読み書きが非常に困難になっていたという。 ポートランドのリードカレッジの卒業生であるCampbellさんは、iPadのうわさを聞き、このタブレットこそが、もう一度読み書きを楽しむために必要な道具かもしれないと考えた。そして彼女は正しかった。 iPadは、「(彼女の)人生を変えてくれた」とCampbellさんの娘であるGinny Adelsheimさんは
自動車業界で、米アップルの人気スマートフォン(高機能携帯電話)「アイフォーン」の機能を活用する動きが広がっている。カーシェアリング・ジャパン(東京都渋谷区)はドアロックを開閉できるアイフォーン用ソフトを開発した。日産自動車も12月発売予定の電気自動車(EV)「リーフ」で充電やエアコン操作を行えるようにする方針だ。アイフォーンの「タッチパネルを使った直感的な操作は車に向いている」(業界関係者)と相性の良さを指摘する声もあり、導入の動きは今後も広がりそうだ。 都内や神奈川に拠点を置くカーシェアリング・ジャパンは、会員向けにアイフォーン用ソフト(アプリ)を開発。アイフォーンを持っている会員は、予約した車の利用開始時と終了時にアプリを使ってドアのカギを開閉できる。アイフォーンでは利用可能な車種や日時の検索、予約もでき、車内の端末につなげばカーオーディオに記録した音楽や映像の再生もできる。 通常の携
京都 洛和会音羽病院は、救急患者に対応する救急指定病院。24時間365日、昼夜を問わず運ばれてくる急患を受け入れている同病院では、“いつ、患者が来るか予測できない”ことに起因する課題を抱えていた。 例えば頭痛を訴えて倒れた患者が運び込まれると、病院ではまず、CTやMRIによる撮影を行い、脳外科の専門医が画像を見て診断して処置を行う。しかし、医師が帰宅してしまった場合や学会で不在の場合は、医師が知らせを受けてから病院に戻って診断することになる。病院では、(1)医師が戻るまでの間にも最善を尽くしたい(2)本当に必要な場合のみ医師が病院に戻れるよう業務を効率化したい という2点を課題としてとらえており、それを解決するためのソリューションを探していた。 そして2009年12月、音羽病院が試験的に導入したのが、iPhoneを活用した医用画像遠隔閲覧システム「ProRad DiVa」だ。このシステムは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く