<このままでは日本の医療がだめになると危機感を抱き、医療現場を離れた豊田剛一郎氏。医療・介護業界の求人サイトを運営するメドレーに移った彼は、「医療×IT」で患者のリテラシーを高めたいと、オンライン病気事典を立ち上げた> 代表取締役医師という肩書きの通り、私は医師です。研修や米国の病院への留学を含めて4年あまり、医療現場で働く中でさまざまな課題に直面し、このままでは日本の医療がだめになるという危機感を強く抱きました。過重労働、診療プロセスの効率の悪さ、地域医療の崩壊、医療知識の格差が招く患者とのディスコミュニケーション、増大する医療費――。 危機感を感じていたのは私だけではありません。日本の医療従事者はみんな苦しんでいました。このままでいいのかと思いながらも、働き続けるには見て見ぬふりをするしかない。これは誰かが何とかしなければという強烈な使命感に突き動かされて、医療を変える一石を投じようと