テレビ会議システムの活用は、都市部から地方まで日本全国で試みられている。導入の動機や得られる恩恵は、それぞれの環境や事業体によってさまざまだが、時間的・空間的な移動コストの大きさ、そしてコミュニケーションの困難さの克服は重要なキーワードになるだろう。 岐阜県郡上(ぐじょう)市。岐阜県のほぼ中央に位置し、2004年に7町村が合併して誕生した。現在は、高山市に次ぐ県内2位の面積(約1030km2、東京23区の約1.6倍)を誇る。地形としては山間部が目立ち、市内の移動にも時間などのコストが大きい。 だが、郡上市はICTを活用してそうした課題を乗り越えようとしている。2016年には総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」に採択され、サテライトオフィスの整備やテレワーカーの誘致などを積極的に推進。また、2017年に「地域IoT実装推進事業」に採択され、2018年1月にはテレビ会議システムを市内の小中学