『路上観察学』とは? 『芸術』と『博物学』を懐かしい故郷とし、『考現学』を母として生まれたままっこである。 『路上観察学』とは何か?を語る前に、まず『考現学』から説明しなければなりません。 『考現学』は、今 和次郎(こん・わじろう)師と吉田謙吉(よしだ・けんきち)氏が 関東大震災後の焼け跡の中の東京を歩き、バラックや道行く人々をスケッチしたのがすべての始まりです。 柳田民俗学門下生だった今先生は、過去にベクトルが向いていた柳田民俗学よりも 現代に目を向けていました。そして震災を機に柳田民俗学と袂を分かち、 都市風俗の観察の学問を新しくはじめたのです。 『考現学』の研究対象は非常に幅広く、繁華街を歩く人々の服装、履き物の種類、 職業・年齢の統計から、人が道をどのように歩いているか、どこにむかっているかなどの調査、 ブリキ屋の作品・門柱・雨樋・障子の引き手と風抜き穴、などなどの形をスケッチした