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ブックマーク / nainaiteiyan.hatenablog.com (13)

  • 読書日記1000 - はてなブログ大学文学部

    読んだ ルネ・デカルト『方法序説』ちくま学芸文庫 (2010) 池田晶子『死とは何か:さて死んだのは誰なのか』講談社(2009) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 池田晶子は語る。 "「役に立たない」学問の筆頭は、言うまでもなく哲学である。「生きなければならない」と人々が思い込んでいるところ、「何のために生きるのか」と問うからだ。(・・・)生きるとは、考えることなのだ。こんな当たり前なことを言ったために、哲人は死刑になった。" (『死とは何か』P166) 約束事は目に見えない。「言葉」によって可視化はできる。しかし質量はない。言葉はどこに「存在」しているか。それは考える存在であるところの人間のなかにある。 法律も約束事と同じであって、可視化はできるがどこに存在しているか、それを示すことはできない。 紙の上に「在る」とでもいうのだろうか。

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  • 読書日記993 - はてなブログ大学文学部

    読んだ 斎藤環『「自傷的自己愛」の精神分析』角川新書 (2022) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "自己批判を繰り返す人ほど、自分と他人を比較したり、自分の価値について思い悩んだりするなどして結果的に「自分について考え続けることで忙しい」状態に陥りがちです。この自分に対する尋常ならざる関心ゆえに、私はこれを「自己愛」と呼ぶのです。" (『「自傷的自己愛」の精神分析』P76) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今思えば認知行動療法(CBT)は言葉を正しく使用するための哲学的なプラグラムであったと自負できる。 認知の歪みというものはすなわち言語の誤った使用であって、言葉の乱れがそのまま心身にダメージを与えていることを忘れているのが現代なのであ

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  • 読書日記992 - はてなブログ大学文学部

    読んだ ロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン:新しい人文学に向けて』フィルムアート社 (2019) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "誇りをもつ人間は、他人によって投影された自分ではなく自分の中に充実した自分自身を感じることを好む。" (『ピェール 黙示録よりも深く (下) 』P115 ) "進歩的な政治信条として、人文主義は、連動する他の二つの考えと特権的な関係をもっている。その二つとは、平等の追求による人間の解放と、合理的な統治による世俗主義である。これら二つの前提は人文主義という概念から生まれたものであり、それはまるで古代の女神アテナがゼウスの頭から、戦闘のために完全武装した姿で生まれたかのようである。" (『ポストヒューマン:新しい人文学に向けて』P51) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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  • 読書日記991 - はてなブログ大学文学部

    読んだ ジャコモ・レオパルディ『断想集』幻戯書房 (2020) マーク・ソームズ+カレン・カプラン=ソームズ『神経精神分析入門:深層神経心理学への招待』青土社 (2022) 宮台真司・苅部直・渡辺靖『民主主義は不可能なのか?ーコモンセンスが崩壊した世界で』読書人 (2019) 藤夕衣・古川雄嗣・渡邊浩一『反「大学改革」論:若手からの問題提起』ナカニシヤ出版 (2017) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 少し前の日記に、自分は「凡人は欲望にしたがって、天才は好奇心から派生した信念で生きる」といった主旨のことを書いた。 また、執行草舟氏が強く働きかけ書物復刊に至ったマイケル・ヤング『メリトクラシー』と関連づけて再度競争の原理とその意義について考えさせられた。 宮台真司氏によれば、「自由放任主義」に依拠するフリードリヒ・ハイエクのいう「スポ

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  • 読書日記984 - はてなブログ大学文学部

    読んだ 水野浩二『倫理と歴史:一九六○年代のサルトルの倫理学』月曜社 (2019) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "自由とは来性に到達した状態のことである" (『倫理と歴史』P33 ) →しかし、『存在と無』において、来性について十分に考察されず "せいぜい脚注のなかで、「頽落した存在の、それ自身による回復」とされているだけである" (『倫理と歴史』P33 ) →サルトルは『存在と無』を書き上げたあとに倫理学の研究に移行 (サルトル)"「来性は人間の条件、すなわち状況に投げ込まれている存在の条件から出発してしか理解されない」" (『倫理と歴史』P34 ) (サルトル)"「ユダヤ人にとって、来的であるとは、ユダヤ人としての条件を最後まで生き抜くことであり、非

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  • 読書日記983 - はてなブログ大学文学部

    読んだ 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "すぐれた資質に恵まれて、いきいきとしているひとりの人間に対し、十人は凡庸で生活力に乏しい。そしてすぐれた政治の目的は、後者が、自分よりすぐれている者が当然就くべき社会秩序における地位を絶対に奪わぬようにすることである。" (マイケル・ヤング『メリトクラシー』P50) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 執行草舟氏の働きかけによって書が復刊されたとされる。 Amazonのレビューにはマイケル・サンデルの『実力も運のうち』が話題を呼んでいることから復刊に至ったのではないか、と見ている人間がいるが、恐らく関係ない。 執行草舟氏が書を強く推しているのは平等主

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  • 読書日記348 - はてなブログ大学文学部

    アドルノ/ホルクハイマー『啓蒙の弁証法』岩波文庫を読む。 書の存在はだいぶ前から知っていたものの、解説書を読んで分かった気になっている自分に嫌気がさして読んでみることにした。 第一章は合理性と現実との絡み合いについて論じられている。 デカルト以後、近代ヨーロッパは科学的知見から神話を破壊した。 その後、技術が発展し産業革命を経てファシズムを生んでしまう。 合理性から始まった近代が、非合理的であるファシズムを生んでしまう結果となった。 この「退化」の過程を解き明かす内容となっている。 例えば、コロナ禍では過剰に健康を優先する「健康ファシズム」ともみなせるような状況が生まれた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 現在も上海において人権問題を考えさせられる都市封鎖が展開されている。 「自粛警察」も「健康ファシズム」の様相を呈しているようにみえる。 科学と倫理に関わる問題で

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  • 読書日記203 - はてなブログ大学文学部

    プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を270ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ソクラテスは国家の統治体制は5種類あるとし、またそれに対応するように人間の性格も5種類あるとした。 全体から部分を説明し、部分が全体と等しくなる仕方で議論する姿勢は一貫して変わらない。 国家体制は、 優秀者支配制 (哲学者が国を統治) 、名誉支配制、寡頭制、民主制、独裁制の5つとした。 国の性質を調べあげ、それに対応する個人の在り方を調べあげていく。 優秀者支配制は調べ尽くした。 統治する者は哲学者であり、正義、勇気、節制、知恵を持つ人間である。 また、最大国家は分業が前提となり、理論上は一人一人が善を成す。 以上、優秀者支配制においては国の性質と個人の性質が相似する。 このようにして残りの4つを調べていく。 270ページの時点では独裁制の国の性質までであった。次は独裁

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  • 『グリーンブック』を観る - はてなブログ大学文学部

    3日間に分けて、今日観終える。 これは実話の物語である。(以下ネタバレなし) 画像引用:映画.com http://www.eiga.com/movie/89815/ あらすじをざっくりいうと、高級クラブで用心棒をしていたトニー(画像左側)が問題を起こして仕事を辞める。 その後、トニーはピアニストであるドクター・シャーリー(画像右側)の運転手として雇われることになり、ツアーを刊行する。 舞台は1962年のアメリカで黒人差別がひどい。そんな差別とピアニストが戦う。そしてトニーの正義感が感動をうむ。 僕は英文科出身で黒人差別に関する基礎的な知識を持っていたつもりであったが、今回の映画ではもっとえげつない差別が描写されていた。 今でも残っている差別問題は、もはやこの時代に生きていた人、生まれた人がいる限り完全にはなくならないだろう。 それは、エスカレーターに乗ったら片方を空ける、という習慣並みに

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  • 読書日記154 - はてなブログ大学文学部

    ポジティブ心理学を読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 時代はポジティブ心理学の登場によりヘドニア的幸福からエウダイモニア的幸福へのシフトしつつある。 書によれば現代の政治哲学は大きく分けて3つに分類される。 ・自由型(リベラリズム、リバタリアニズム) ・福祉型(功利主義) ・美徳型(古代西洋・東洋思想) 美徳型は幸福を実現させるべく社会システムをどう構築するのかを模索する立場である。 価値観が多様化し、共通善というものが見えづらい世の中となっている。 ところが、研究によるとどのような文化圏においても幸福度を高める共通項が確認される。 ⇒「仁義礼智信勇」 この知見がのちに政策に反映されていくことで日においても幸福度の底上げが期待される。 ポジティブ心理学の未来は明るい、そんな印象を持つことができた。 ビジネスコーナーにおいても近年は「贈与」という言葉をよ

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  • 読書日記153 - はてなブログ大学文学部

    玄田有史『希望のつくり方』岩波新書(2010年)を読む。 正直なところ、あまり読んでいて気持ちの良いものではなかった。 著書は「希望学」の研究をしてきたとのことであるが、研究から得られた量的なデータが全くない。 加えて書の内容はほとんど僕が今まで学んできたことばかりという印象である。 きわめつけは、高みから見下ろされている感がするところである。 安全地帯(つまりは大学教授という地位)から書かれたナラティブには気迫がない。 そして希薄。 これを読むといっそう希望が見えなくなる思いである。 ただ、僕の考え方は著書とあまり変わらない。だからこそ余計にやるせなさを感じる。 人生が決定論のように決まりきっていてはつまらない。 かといって先に行きが不明であっても不安。 希望は人間が作り出した虚構ではないだろうか。 希望について考える時間があれば僕はポジティブ心理学を勉強したほうが有意義だと思うし、今

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  • 積ん読家は引っ越し不可能 - はてなブログ大学文学部

    今週のお題「引っ越し」 僕も就活を終えた暁にはいよいよ一人暮らしを再スタートです。 しかし僕には大きな壁が立ちはだかります。 をどうするか。 実家に放置? あり得ません!!!!!! 積ん読はまあ許せます。 実家に置き去り?? 置き読ですか。 置き読って、もはやの死じゃないですか。 維持でもも引っ越しに参加させるんです!!!!! 2000冊の大移動です。 引っ越し屋さん。 めんどくさくてすみません。 は友なんです。 友を見捨てるなんて非道です。

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  • 久々の不調 - はてなブログ大学文学部

    午前中は読書をして過ごしました。 帰り道にもう気づいていました。 「今日はこれで終わりかな」 読書だけは毎日長時間できていたのですが、久しぶりに読書する気力も無くなりました。 お昼以降は寝たり、Youtuberキヨさんの面白いゲーム実況動画を観て笑って過ごしていました。 午後は軽く運動してそのまま日の活動を終えようとしています。 こういう日は定期的に来るのですが、「何もしない」が一番ですね。 つづく

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