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ブックマーク / natrom.hatenablog.com (24)

  • 作業員の自己造血幹細胞の事前採取の是非は誰にもわからない - NATROMのブログ

    大量被ばく時に備え、福島第一原発の作業員の造血幹細胞を事前に採取・保存しようとする提言がある。仮に大量被ばくが起こった場合、あらかじめ自己造血幹細胞が保存されていれば、治療の選択肢が増え、患者のメリットになることはほぼ間違いない。しかし一方で、造血幹細胞の採取はほぼ安全であるとは言え、リスクが皆無というわけではない。また、造血幹細胞を採取する処置によって、原発での作業に伴うリスクが増える可能性がある。造血幹細胞の事前採取をしたほうがいいかにどうかについては、不確定要素が大きく、現時点で結論を出すことはできないと私は考える。 造血幹細胞とは何か?なぜ大量被ばく時に造血幹細胞移植が必要なのか? 血液中に含まれる細胞成分(白血球、赤血球、血小板)を、血球と呼ぶ。すべての血球は、造血幹細胞という細胞に由来する(図)。血球には寿命があるが、造血幹細胞が分裂・増殖し、適宜それぞれの血球に分化することで

    作業員の自己造血幹細胞の事前採取の是非は誰にもわからない - NATROMのブログ
    misomico
    misomico 2011/04/04
  • 縦読みを仕込む新聞社 - NATROMのブログ

    今回は小ネタ。内容にはコメントしないが、正直面白かった。 ■デスク日記 とんでもない事件だ(西日新聞) とんでもない事件だ。北九州市と福岡県苅田町にまたがる自動車メーカーの部品工場に爆発物が投げ込まれ、地面に穴が開いた。工場を建設した会社のトラブルとみられるが、問題はそのメーカーの対応。広報担当者は当初「事件については言えません」の一点張りだった。 ようやく数時間後に「再発防止を望む」とコメントした。後で聞くと、捜査の関係で極端に口をつぐんでしまったという。このメーカーは大手自動車会社の子会社で、被害者側ではある。しかし、工場の起工式が昨年開かれたときも非公開だった。式典風景を公道から写真に撮ろうとすると、建設会社の人や警察官から制止された。 ただ、企業の社会的責任がこれだけ求められている中、事件が起きれば十分な説明が必要なはずだ。メーカー名はこの欄では名指ししないが(各段落の頭文字がヒ

    縦読みを仕込む新聞社 - NATROMのブログ
  • 「死ぬこともある」と説明すべきか - NATROMの日記

    昨今、医師は十分な説明を行うことを期待されているが、一方でネガティブな情報については説明して欲しくないという意見もある。「福岡県医報」という雑誌に、「ジャーナリストからの風」というコラムがある。医療関係の取材を行ったマスコミ関係者が、医療従事者向けに書いたものだ。平成20年8月号、No.1386より、NHK福岡放送局の椿直人記者による「『医療は不確実』だとしても…」より引用する。 「ジャーナリストからの風」 3年前、当時4歳だった次男が、急性腸炎で緊急入院した。出張中だった私は、帰宅後すぐに見舞いに駆けつけ、担当医師の説明を聞いた。「点滴で数値を下げようとしているが、なかなか下がらない。最悪の場合、腹膜炎を起こして死亡することもある」。医師の説明に冷静さを失いそうになりながらも、原因を尋ねたところ、「原因よりも治療を優先する」とのことで、ますます不安が募ったのを覚えている。当時、面会時間が

    「死ぬこともある」と説明すべきか - NATROMの日記
  • 網 vs. 自然選択 - NATROMのブログ

    漁業資源の保護の方法の一つとして、網の目の大きさの規制がある。適切な網目の大きさを設定すれば、網からすり抜けた小さな個体がいずれ成長して資源は保たれる。しかし、進化論を考慮すると、漁業資源管理の上で問題が生じうるらしい。生存競争の点から、魚の体のサイズが大きい利点はいくつかある。より多くの卵を産める、ライバルの個体との争いに勝ちやすい、捕されにくい、などなど。ならばより早くサイズを大きくする戦略は有利である(たまたまこの戦略は漁師にとっても望ましい)。むろん、大きければ大きいほど有利なわけはなく、種ごとに適正なサイズがあるのだが、自然状態と、漁業がなされたときとで、適正なサイズが異なるのだ。David O. Conover, Fisheries: Nets versus nature, Nature 450, 179-180より図を引用。 今回のエントリーで言いたいことは、この図でほとん

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