長妻厚生労働相が20日公表した「相対的貧困率」では、国民の15・7%が、国内の平均的な所得水準を大きく下回る“貧困層”であることが明らかになった。 日本の相対的貧困率は諸外国と比較しても高率となっており、背景には、非正社員の増加などによる格差拡大があるとみられる。生活に困窮する人々から悲鳴が聞こえてくる。 「何とかして大学に行きたい。でも、家庭の状況を考えると悩んでしまう」 今月16日、東京・有楽町駅前。あしなが育英会の募金会場で、静岡県の高校3年生吹越勇太さん(18)が打ち明けた。旅館を経営していた父を中学2年の時になくし、病気をおして働いていた母も高校2年の時以来、入院生活が続いている。現在は奨学金を借り、下宿生活をしながら高校生活を送っているが、母方の実家の援助と奨学金がないと、生活すら厳しい状況だ。 将来の夢は高校教師という吹越さん。「私みたいな状況でも、希望を失わずに進学できるよ