望んでいないのに自らの性同一性障害を社内で公表させられたとして、ヤクルト子会社の「愛知ヤクルト工場」(愛知県日進市)の40代社員が、同社に330万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が5日、名古屋地裁であった。会社側は「公表を強制していない」として請求棄却を求めた。 原告は、戸籍上は男性。訴状によると、2014年5月、「性同一性障害」の診断書を上司に提出。更衣室を別室にするように希望する一方、社内での公表や女性としての処遇は望まず、家裁に改名が認められた後も名簿などは従来の男性名の使用を要望していた。だが、会社側が名簿などを女性名に変えたため、周囲に知られるに至ったとしている。 会社側は答弁書で反論。原告側が「更衣室の使用などを認める条件として『私は性同一性障害です』と全従業員への説明を余儀なくさせられた」と主張した点について、「性同一性障害の発表を条件として、何らかの提案をしたことは