熊本県御船町のおよそ9000万年前の地層から、これまで国内では確認されていなかったカンガルーなどの有袋類と同じ祖先を持つ、「後獣類」と呼ばれる動物の歯の化石が見つかったと地元の博物館が発表しました。 調査の結果、歯のかみ合わせの凹凸部分の特徴などから、化石は恐竜の時代に活動していたとされる、体長10センチから15センチほどの「デルタテリディウム科」の哺乳類の奥歯と見られることがわかったということです。 博物館によりますと、「デルタテリディウム科」はカンガルーやコアラなどの有袋類と同じ祖先を持つ「後獣類」に属する動物で、国内で「後獣類」の化石が発見されたのは初めてだということです。 御船町恐竜博物館の池上直樹主任学芸員は、「有袋類の仲間が白亜紀後期のアジアに生息していたことを示す証拠で、哺乳類の進化を解明するうえで重要な手がかりになる」と話しています。 この化石は25日から一般に公開されます