小学生の頃、同級生の家に遊びに行くと、10歳年上のかなり迫力のあるお姉さんが、いつも爆音でヘビメタを聴いていて、それが私のメタル体験の最初だった。86年くらいだったろうか。 ベーシストのカレシと一緒に、当時流行っていた「ジャパメタ」風のバンドでキーボードを弾いていて、作詞用のノートには、「弾丸」だとか、「稲妻」だとか、「叫び」だとか、物騒で刺激的な言葉がこれでもかというほど並んでいた。 ある時、近所の商店街に遊びに行く相談をしていると、自転車じゃ遠いだろうからと、親切にも車で送ろうと言ってくれたのだったが、いつも家の前に駐まっているダークな雰囲気のシャコタンを見ていた私は、遠慮するフリをしながら精一杯丁重に辞退した。 それからしばらく、送る、いや、結構ですと押し問答をしているうちに、段々と彼女の機嫌が悪くなってきたのを見て、「じゃあ、スミマセンけど、お願いします。」と腹を括ったのだったが、